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舌小帯短縮症(舌小帯強直症、舌癒着症)、上唇小帯短縮症(上唇小帯付着異常)

舌小帯短縮症(舌小帯強直症、舌癒着症)症状は?

○舌足らず →舌先を使う、サ行、タ行、ラ行などの発音が不明瞭(舌尖部の硬口蓋、歯肉への接触不十分による)滑舌が悪い

○ 早口言葉が言えない、長い時間話すと舌が疲れる

○舌を前方に伸展すると、ハート型になる

○舌を長く出せない、持ち上げられない(舌が口腔底部に癒着して、舌が下顎前歯よりも前方に突出できない)

○食べるのが遅く咀嚼・嚥下障害を起こす

○歯並びへの影響、下顎正中離開

○乳幼児期には哺乳障害、下顎前歯による舌下面の潰瘍形成、浅飲み

○アイスクリームやペロペロキャンディーが舐められない、うどん、ラーメンが上手くすすれない、ストローで吸えない、リコーダーなどの吹奏楽器が上手く吹けない

分類基準

 最大開口時、舌尖の挙上量が最大開口量の二分の一以上なら軽度、咬合平面から二分の一で中等度、咬合平面に達しない場合は重度

 簡単な判定方法「お口を大きく開け、舌の先を上あごにつけてください」と言って、口の大きさ(たての長さ)の1/2以上あげられたら、「軽度」です。1/2以下しかあがらない場合

は、「中等度」です。舌を上にあげようとしても下顎の歯よりもあがらないか、全くあげられない場合は「重度」と判定

 軽度の場合は、発音や摂食嚥下機能に問題があることは少ないので、あまり治療の対象とならない。中等度や重度の場合は、「哺乳が上手にできない」、「話すときに舌がもつれる」、「硬いものが上手に食べれない」といった、哺乳障害、発音障害、摂食・嚥下障害が認められることが多く、治療によって改善することが多い

言葉の発達順序

2~3歳代:ア・イ・ウ・エ・オ、タ・テ・ト、パ行、マ行、ヤ行、ン

2~5歳代:バ行

3~4歳代:カ行、ガ行、ナ行、チ、チャ行、ダ・デ・ド、ハ行、ワ

4~6歳代:サ行、ザ行、ツ、ラ行

舌小帯短縮症の筋機能療法(MFT)

舌の可動範囲を拡大することを目的とする

軽症の舌小帯短縮症では筋機能療法だけで改善も見込めます。また、前述した外科処置を行った後は、筋機能療法を行なって、舌の可動範囲を拡大させるのが効果的です。

舌小帯短縮症に対する筋機能療法の一つに『あいうべ体操』があります。

これは非常に簡単な方法なので、小さなお子さんにも簡単に行ってもらえます。しかも、簡単ですが、大人の舌癖の治療にも有効な方法なので効果的です。

①「あ~」と、大きくお口を開ける

②「い~」と、お口を横に伸ばす

③「う~」と、お口を前にとがらせる

④「べ~」と、舌を前に突き出して、下方に伸ばす

①~④までを1セットとして、一日30セットを目安にします。なお、声は出してもいいですし、出さなくてもかまいません。

手術において注意事項

①滑舌の改善が必ずしも得られない

滑舌の改善に効果的な手術ですが、必ずしも改善が得られるとは限りません。舌小帯の短縮が原因で滑舌が悪くなっている場合は手術によって改善が見込めますが、舌の筋力や感覚の問題が原因だと、手術だけでは改善が難しい場合があります。

手術をして舌の可動範囲は広がっても発音の仕方などは小児期で獲得されているのであまり変わらないことも多い

当院はこの手術はレーザーを利用するため、最後に縫合する必要はありません。当然、抜糸も必要ありません。

症例2

レーザー治療 術前
レーザー治療 術直後

②術後の痛みや違和感

比較的短時間(30分~1時間)で行う小手術ですが、術後には痛みや違和感を感じることがあります。痛み止めでコントロールできますが、違和感は数日間続く場合があります。

③術後の後戻り(再癒着)

舌の動かし方や良いポジション、舌運動のトレーニングなど(MFT)を行うことが重要。

それを怠ると手術後に後戻りが起きてしまい、舌小帯を再度切除しなければならない状況になることもあります。

術後ケア

切開後は再癒着防止のために、1日4回舌のストレッチを4週間行う。1週後に再癒着の有無を診察し、癒着があれば指で剥離。1か月後の診察で創が治癒し、症状の改善がみられれば治療終了。

上唇小帯短縮症(上唇小帯付着異常)症状は?

上唇の正中にある粘膜のひだが上唇小帯のことで、

○正中離開の状態になりやすい

○小帯が歯茎に付いている位置が歯に近く歯磨きをするのに邪魔になる為、歯磨きの際に歯ブラシが小帯に当たって傷をつくりやすい、丁寧に磨かなければ、磨き残しをやすく、歯肉炎やう蝕リスクが高まる

○上唇が歯茎に固定されているために哺乳が困難(歯茎で乳首を噛まれる)、浅飲みの原因

○上唇が持ち上がらないため、“アヒル口”が出来ない

手術の注意事項

①予後を完全に保障するものではない再発するケースもある

②切除したからといって正中離開が改善されるとは限らない(矯正が必要となることがある)

③術後、痛みが出る可能性あり

術後ケア

術後は再癒着防止のために、1日4回上唇のストレッチを4週間行う。1週後に再癒着の有無を診察し、癒着があれば指で剥離する。1か月後の診察で創が治癒していれば治療終了。

舌小帯短縮症(舌小帯強直症、舌癒着症)、上唇小帯短縮症(上唇小帯付着異常)でお悩みの方は一度ご相談ください

                           東札幌三輪デンタルクリニック        Dr三島 悠豊

    

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