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知覚過敏はなぜ起こる?
原因と予防法を歯科衛生士がわかりやすく解説
歯が「キーン」としみるのは知覚過敏かも?
冷たい飲み物を飲んだときや、歯みがきをしたときに「キーン」と鋭い痛みを感じたことはありませんか?それは、知覚過敏の症状かもしれません。
知覚過敏は、誰にでも起こりうる身近な歯のトラブルですが、放っておくと日常生活のストレスになるだけでなく、虫歯や歯周病との見分けがつきにくくなることもあります。
今回は、知覚過敏の原因や仕組み、日常でできる予防方法、そして歯科医院でのケア方法まで、歯科衛生士の視点から詳しく解説します。
知覚過敏とは?|その仕組みと症状
知覚過敏とは、歯の表面を覆っているエナメル質が削れたり、歯ぐきが下がることで内部の象牙質が露出し、刺激に敏感になる状態をいいます。
■ 症状の特徴
- 冷たい飲み物や食べ物でしみる
- 歯みがき時にピリッと痛む
- 甘いものや酸っぱいものでも違和感
- 風に当たるだけで痛むことも
このように、特定の刺激に対して一時的な痛みを感じるのが、知覚過敏の主な症状です。
知覚過敏の原因は?生活習慣の中にヒントがある
知覚過敏の原因はひとつではありません。以下のような要因が複雑に関係しています。
1. 強すぎる歯みがき
硬い歯ブラシで力を入れてゴシゴシ磨いていませんか?
過度なブラッシングは、エナメル質の摩耗や歯ぐきの退縮を引き起こし、象牙質が露出しやすくなります。
2. 歯ぎしり・食いしばり
就寝中の歯ぎしりや無意識の食いしばりは、歯に過度な力をかけることでエナメル質を削ったり、歯ぐきを下げる原因になります。
3. 酸性の飲食物のとりすぎ
炭酸飲料や柑橘類、酢の物などを頻繁に摂取すると、酸によって歯が溶けやすくなり(酸蝕症)、知覚過敏を引き起こすことがあります。
4. 歯周病や加齢による歯ぐきの後退
歯ぐきが下がることで象牙質が露出し、刺激が伝わりやすくなります。歯周病が進行している方や高齢者に多くみられます。
知覚過敏の予防法|今日からできるセルフケア
知覚過敏は日々のケアで予防・改善が可能です。以下のポイントを意識してみましょう。
✅ 正しい歯みがき習慣を身につける
- 歯ブラシはやわらかめ〜ふつうを選ぶ
- 力を入れすぎず、鉛筆を持つように軽く握るのがコツ
- 1回2〜3分を目安に丁寧に磨く
- 知覚過敏専用の歯みがき粉を使うのもおすすめ
✅ 酸性の飲食物の取り方に注意
- 酸っぱいものを食べた後はすぐに歯を磨かず、30分ほど間を空けてから
- できれば口をゆすいで酸を中和してからブラッシングを
✅ 歯ぎしり・食いしばりの対策
- 寝ている間の歯ぎしりが気になる方は、**ナイトガード(マウスピース)**の使用も効果的
- 昼間の食いしばり癖には、リラックスやストレッチも有効です
- 当院では咬筋ボツリヌス療法という治療もおこなっております。
https://www.miwadental.jp/botox/
✅ 定期的に歯科検診を受ける
- 歯の状態やブラッシングの癖をプロの目でチェック
- 初期の知覚過敏や原因を早期に発見・対処できます
歯科医院でできる知覚過敏の治療・ケア
セルフケアでも改善しない場合や、症状が強い場合は歯科医院での専門的な処置が必要です。
■ フッ素塗布・コーティング剤の塗布
露出した象牙質に知覚を抑える薬剤やフッ素を塗ることで、刺激の伝達をブロックします。短時間の処置で痛みが軽減される方も多いです。
■ レジン(樹脂)でのカバー
知覚過敏が強く、象牙質の露出が顕著な場合は、レジンという歯科用の樹脂でカバーして保護する方法もあります。
■ 歯周病治療・かみ合わせの調整
歯ぐきが下がっている原因が歯周病であれば、歯石除去や歯周ポケットのケアが必要です。
また、かみ合わせのバランスが崩れている場合は、調整やマウスピースによる改善が行われます。
知覚過敏は放置しないで!見極めが大切
知覚過敏と似た症状を持つ病気に、**むし歯や歯の亀裂(クラック)**があります。自己判断で「しみる=知覚過敏」と思い込んでしまうと、重度の虫歯を見逃してしまうリスクも。
しみる症状が続く、痛みが強くなってきた、しみる場所がはっきりしないといった場合は、迷わず歯科医院を受診してください。
まとめ|毎日のケアと定期検診で知覚過敏を予防しましょう
知覚過敏は、多くの人が経験するお口の悩みの一つです。
しかし、原因を理解して正しいケアを行えば、防げる・改善できる症状でもあります。
歯がしみる…と感じたら、まずはブラッシングの見直しと知覚過敏用の歯みがき粉の使用から始めてみましょう。そして、定期的な歯科検診で症状の原因をしっかり確認することも大切です。
痛みのない快適な食事や会話ができるよう、私たち歯科衛生士も全力でサポートいたします。気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談くださいね。
監修者
三輪 智之 Tomoyuki Miwa
経歴
2014年3月
東札幌 三輪デンタルクリニック開業
2018年10月
医療法人 東札幌 三輪デンタルクリニック設立
三輪院長は、最新の技術を用いた精密治療と丁寧な説明を心がけ、患者様が納得のいく治療を提供しています。特に、マイクロスコープを使用した保存治療や、なるべく削らない審美歯科に注力し、 患者様に満足していただけるよう日々努めています。スタッフ紹介ページ