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ドクターブログ
歯の脱灰、ホワイトスポットを削らずに治す方法
アイコン治療(ICON)は、世界の歯科医療で広く使用されている歯の脱灰治療の一つです。
歯の脱灰とは、歯のエナメル質が酸によって溶け出し、カルシウムなどのミネラル質が失われる現象のことです。これにより、歯が脆くなり虫歯や歯の表面に白い斑点が現れることがあります。
アイコン治療は、歯の表面にできた初期の脱灰部分を補修するために使用されます。
ホワイトスポット(エナメル質形成不全症)とは
- 歯の表面のエナメル質が部分的にスカスカになっている状態
- 光の屈折率が正常な部分と異なるため、白く見える
アイコン治療の仕組み
- スカスカになったエナメル質に特殊な低粘度のレジンを浸透させる
- レジンが光の屈折率を調整し、ホワイトスポットを目立たなくする
アイコンとは欧米で開発された特殊な薬剤で、歯を削らずに初期虫歯やホワイトスポットな
どの白斑を治療する材料です。ドリルや麻酔を使わず、痛みもなくエナメル質を
再石灰化しホワイトスポットの改善を見込みます。
まだiconが日本に輸入されるようになってから数年で経過が不明瞭な部分はありますがアメリカ
とEUでは広く使用されており安心して使用可能な歯科材料と考えています。

具体的な治療手順
1. 歯を清掃し、脱灰部分を確認する:まず、歯科医師が歯をクリーニングし、脱灰部分の程度を確認します。

2. ICON治療の準備:治療前に歯の表面を特殊な溶液で処理し、脱灰した部分に特定の溶液を適用する準備をします。
3. ICON治療の適用:特殊な溶液やゲルを脱灰した歯の表面に塗布し、歯の表面のミネラルを再石灰化する処置を行います。
4. 治療の終了とアフターケア:治療が完了したら、歯の表面を光照射器で硬化させます。歯科医師からのアフターケアや適切な歯のケア方法についてのアドバイスを受けることも重要です。 アイコン治療は、歯を削ることなく歯の脱灰を補修することができるため、歯の健康状態を保ちながら美しい歯を保つのに役立ちます。しかし、複数回の治療が必要な場合や脱灰が進行している場合には、他の歯科処置が必要になることもあります。歯科医師との相談や定期的な歯科検診を受けることが、健康な歯を保つために重要です
アイコンの特徴~歯の白濁(ホワイトスポット)を消す治療~
1. | 歯を削らない
アイコンは歯を削らずに液態のレジン樹脂を浸潤させて歯の白濁を消す治療方法です。 |
2. | 痛み無し
アイコンは歯を一切削らないので、当日は安心しておこしください。 |
3. | 歯を強化する
アイコンは初期脱灰部にレジンを浸潤させ硬化させるので歯を強化します。 |
4. | その日で完結
アイコンは基本的にその日で治療は完結します。時間的には30分ほどですが、濃い白濁の場合は数回行う場合もあり、その場合は1時間弱ほどの時間がかかります。 |
注意点 ~ATTENTION~
白い斑点の程度が強い場合は効果が得られにくいこともあります。経年的に少し色が戻る場合があります。ラバーダムをするため低年齢では時期を待つ場合があります。歯牙が既に削れている場合は適応にならない場合があります。
症例1 上の前歯2本のアイコン治療


症例2 右上1番の前歯1本のアイコン治療


料金 1歯 ¥25.000ー
アイコン治療と他の治療法の比較
治療法 | 歯を削るか | 痛みの存在 | 治療回数 | 特徴 | 費用目安 |
---|---|---|---|---|---|
アイコン治療 | 削らない | ほぼなし | 1回 | ホワイトスポットを目立たなくする | 中程度 |
ホワイトニング | 削らない | しみることがある | 数回 | 歯全体を明るくして、ホワイトスポットを目立ちにくくする | 低〜中 |
ラミネートベニア | 削る | 麻酔が必要 | 数回 | 歯の形や色も改善できる | 高 |
各治療法の詳細
- アイコン治療
- 歯を削らずに、ホワイトスポットを目立たなくする治療法です。
- 痛みはほとんどありません。
- 治療は1回で完了します。
- ホワイトスポットの原因によっては、効果が得られない場合があります。
- ホワイトニング
- 歯全体を明るくする治療法です。
- 歯がしみることがあります。
- 治療回数は数回必要です。
- まれに、ホワイトスポットが目立つこともあります。
- ラミネートベニア
- 歯の表面を削り、薄いセラミックを貼り付ける治療法です。
- 麻酔が必要です。
- 治療回数は数回必要です。
- 歯の形や色を自由に改善できます。
費用目安
- アイコン治療:中程度
- ホワイトニング:低〜中
- ラミネートベニア:高
注意点
- 上記の表は一般的な情報をまとめたものであり、個人の歯の状態や希望によって治療法や費用が異なります。
- 治療を受ける前に、歯科医師とよく相談し、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
歯をできるだけ削らない方法を!
当院では、できるだけ歯を削らずに、低侵襲で歯の白濁、ホワイトスポットを消せないかを最優先に考えております。
しかし、白濁が深すぎる場合もあります。アイコンだけで解決できない、審美的に満足できない場合でも、数多くの選択肢を持ち合わせております。その際は残念ながら、まず少し歯の白濁の部分を削除して、ダイレクトボンディングで詰めなければならない場合もあります。その際は相談のうえ、可能なかぎり最小限の歯の白濁の除去にしております。
札幌市の保存治療にこだわる歯医者 東札幌三輪デンタルクリニック 院長 三輪智之
監修者
三輪 智之 Tomoyuki Miwa
経歴
2014年3月
東札幌 三輪デンタルクリニック開業
2018年10月
医療法人 東札幌 三輪デンタルクリニック設立
三輪院長は、最新の技術を用いた精密治療と丁寧な説明を心がけ、患者様が納得のいく治療を提供しています。特に、マイクロスコープを使用した保存治療や、なるべく削らない審美歯科に注力し、 患者様に満足していただけるよう日々努めています。スタッフ紹介ページ