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ドクターブログ
総入れ歯でお困りの方
総入れ歯は、全ての歯が欠損している場合に必要となる入れ歯の一種です。歯を全て失った場合や、残存歯がすべて抜歯される場合に、口腔内に適合させて咀嚼や発音、口腔機能を回復させるために用いられます。総入れ歯は、部分入れ歯と比較して全体をカバーするため、口蓋、歯茎、口腔全体に圧力が分散され、支持力や安定性が増す利点があります。
総入れ歯は、通常取り外し可能な入れ歯として制作されます。歯科医師が口腔内の状態を詳しく検査し、口腔内の型を採取して製作されるため、患者の口腔に合わせたカスタマイズが可能です。入れ歯の素材には、アクリル樹脂製や金属床があり、患者の要望や予算、口腔内の状態に応じて適した素材が選択されます。
総入れ歯のメリット
口腔機能の回復や外見の改善が挙げられます。歯を失ったことによる咀嚼機能や発音障害を改善し、口元の形や顔のバランスを整えることができます。また、入れ歯は取り外し可能なため、清掃が比較的容易である点も利点の一つです。適切にケアを行えば、入れ歯の寿命を延ばすことができます。
総入れ歯のデメリット
初期に入れ歯が違和感や違う感覚をもたらすことがあり、慣れるまで時間がかかることがあります。また、口腔内の形状や歯ぐきの状態が変化することにより、入れ歯のフィット感が悪くなる可能性もあります。長時間の使用や間違ったケアを行うと、口内炎や口臭、歯茎の痛みなどのトラブルが生じる場合もあります。
総入れ歯の製作や修理は、歯科医師や歯科技工士が行う必要があります。入れ歯の状態や適合性を確認するためには、定期的に歯科検診を受けることが重要です。また、入れ歯に合わない場合や問題が発生した場合には、早めに歯科医師に相談することが大切です。
保険診療において総入れ歯の治療は、原則として一部負担となります。全顎補綴においては、厚生労働省の定める治療方針に基づいて治療費が算定され、患者が自己負担する割合が決定されます。治療費の詳細は、歯科医師や歯科受付スタッフに相談することで確認することができます。保険適用外のオプション治療や特殊な素材を選択する場合には、自己負担が増えることがありますので、治療内容についてよく理解し、予算を考慮した治療計画を立てることが重要です。
総入れ歯は、全ての歯が欠損した状態でも口腔機能を回復するために有効な治療法となります。患者自身の口腔状態や期待する治療効果、予算などを考慮して、適切な入れ歯を選択し、適切なケアを行うことが重要です。その際に、歯科医師や歯科技工士との十分なコミュニケーションを図り、信頼できる歯科医療チームと協力しながら治療を進めることが望ましいです。
義歯制作を長年行っていると、義歯は印象よりバイト(噛み合わ)が重要と気が付き始めます。けして印象が「適当」で良いという意味ではなく、印象が程々でもバイトがあっていると噛める義歯、反対に印象が素晴らしくてもバイトがずれていると噛めない義歯となることが多いと思います。ではそのバイトをしっかり採れば良いとなるのですが、そのバイトの採得が超難問です。患者個体差が大きい、顎関節が壊れていることが多いので顎位が不安定、今回採得したバイトの再現性が乏しいことがある等様々な問題点が上がります。その対応として過去様々な巨匠が咬合採得法を提案してきました。
最近行っている、ZEROシステムはゴシックアーチを使用し、保険総義歯を4回で作成し、Gerbar理論で人工歯排列をおこない両側性平衡咬合と片側性平衡咬合の両立による義歯の安定を図る義歯制作法です。去年受講した学びから当院でもこのSYSTEMを導入して保険・自費と隔てることな(材料の違いはあるけれど)噛める義歯を目指したいと思います。
東札幌三輪デンタルクリニック 院長 三輪智之