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【歯を守るために】予防歯科とは?歯科衛生士が教えるメリット・内容・通院のタイミング
近年、「予防歯科」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、そもそも“ならない”ために通う歯科、それが予防歯科です。
「痛くないのに歯医者に行く意味あるの?」
「定期的に通うってどれくらいの頻度?」
「実際に何をするの?」
そんな疑問に、現役歯科衛生士の視点から、予防歯科の必要性・メリット・受けられる処置の内容・通院頻度などを詳しく解説します。
予防歯科とは?
予防歯科とは、虫歯や歯周病を未然に防ぎ、口腔内の健康を保つための歯科医療です。
従来の「痛くなってから治す」治療型歯科医療とは異なり、“問題が起こる前に予防する”ことを目的とした新しい歯科の考え方です。
予防歯科の目的
- 虫歯や歯周病の早期発見・早期対処
- お口の中を常に清潔に保つ
- 歯の寿命を延ばし、将来的な抜歯や高額治療を防ぐ
- 全身の健康リスク(糖尿病・心疾患など)の低減
なぜ今、予防歯科が注目されているのか?
厚生労働省の調査によると、**日本人が歯を失う最大の原因は「歯周病」です。
しかし、歯周病は痛みなく進行する「サイレントキラー」**とも言われており、気づいたときには手遅れということも少なくありません。
一方、スウェーデンやフィンランドなどの歯科先進国では、予防歯科が常識となっており、80歳で20本以上の歯を保つ人の割合が日本の2倍以上と言われています。
つまり、定期的な予防こそが、生涯自分の歯で食べるためのカギなのです。
歯科医院で受けられる予防処置の内容
予防歯科では、歯科医師・歯科衛生士が連携し、以下のような処置を行います。
① プロによるクリーニング(PMTC)
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、専門器具を使って、歯ブラシでは落とせない歯石・バイオフィルム・着色汚れを除去するプロのクリーニングです。
- 歯の表面がツルツルになり、再付着を防ぐ
- 口臭予防・虫歯予防に効果的
- 見た目もきれいに(ホワイトニング効果とは別)
② フッ素塗布
- 歯の再石灰化を促進し、虫歯の進行を抑制
- 特に子どもや虫歯リスクが高い方におすすめ
③ 歯周病のチェック・スケーリング
- 歯ぐきの状態、出血の有無、歯周ポケットの深さを測定
- 歯石を除去して、歯周病の悪化を防止
④ ブラッシング指導(TBI)
- 磨き残しやすい部分を可視化(染め出し)
- 一人ひとりの歯並び・リスクに合った歯ブラシや磨き方を指導
予防歯科のメリットとは?
1. 歯を失うリスクを大幅に減らせる
定期的なチェックとクリーニングにより、虫歯や歯周病の進行を食い止めることができます。
痛みが出てからでは遅いことも。「悪くなる前に対処」するのが最善です。
2. 医療費の節約につながる
初期の虫歯や歯周病であれば、簡単な処置で済むため、費用が安く抑えられます。
また、予防歯科に通っている人は、長期的に見て治療費が3〜4割少ないという調査結果もあります。
3. 口臭・見た目の改善
歯石・プラークを取り除くことで、口臭の原因菌も除去。
また、着色汚れが落ちることで歯の見た目も明るく清潔に見えます。
4. 全身疾患の予防にも
最近では、歯周病が糖尿病・心筋梗塞・誤嚥性肺炎などと関連していることが明らかになっています。
口腔ケアは、全身の健康を守る第一歩です。

どれくらいの頻度で通えばいいの?
予防歯科の通院頻度は、基本的に3〜4ヶ月に1回が目安です。
ただし、以下のようなケースでは頻度を上げることが推奨されます。
- 歯周病の治療中・再発リスクが高い
- インプラントやブリッジなどの補綴物がある
- 妊娠中、または高齢者
- タバコを吸う、糖尿病があるなどのリスク因子がある
歯科医院では、一人ひとりに合ったメンテナンスプランを提案していますので、気になる方はまず相談してみましょう。
自宅でできる予防ケアも重要
予防歯科は、歯科医院でのケアだけでは完結しません。
日々のセルフケア(ホームケア)との両立が最も重要です。
歯科衛生士としておすすめする自宅ケアは以下の通りです:
- 歯ブラシ+デンタルフロスや歯間ブラシの併用
- フッ素配合の歯磨き粉の使用
- 就寝前は特に丁寧なブラッシングを(唾液の分泌が減るため)
- 定期的な歯ブラシの交換(1ヶ月に1回が目安)
よくある質問(FAQ)
Q. 痛くもないのに歯医者に行く必要ありますか?
A. はい、症状が出ていない今こそ予防のタイミングです。痛みが出てからの処置は、時間も費用もかかる場合が多いです。
Q. 子どもにも予防歯科は必要ですか?
A. もちろんです。乳歯や生えたての永久歯は虫歯になりやすいため、フッ素塗布やシーラントなどの予防処置がとても有効です。
まとめ|予防歯科で守る、一生使える歯(続き)
「今は痛くないから…」と先延ばしにしてしまうと、気づかないうちに虫歯や歯周病が進行してしまうことも。
症状が出てからでは、治療回数も費用も増えてしまいます。
予防歯科は、歯だけでなくあなたの将来の健康と生活の質(QOL)を守るための大切なステップ。
歯科医院での定期的なチェックと、毎日の丁寧なセルフケアを両立させることで、
「80歳で20本の歯を残す」ことも、夢ではありません。
「治す歯科」から「守る歯科」へ。
人生100年時代、自分の歯で食べる幸せを長く保つために、今日から予防歯科を始めてみませんか?