LINE Instagram

ブログ

カテゴリー:

【歯を守るために】予防歯科とは?歯科衛生士が教えるメリット・内容・通院のタイミング

近年、「予防歯科」という言葉を耳にする機会が増えてきました。

虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、そもそも“ならない”ために通う歯科、それが予防歯科です。

「痛くないのに歯医者に行く意味あるの?」

「定期的に通うってどれくらいの頻度?」

「実際に何をするの?」

そんな疑問に、現役歯科衛生士の視点から、予防歯科の必要性・メリット・受けられる処置の内容・通院頻度などを詳しく解説します。

予防歯科とは?

予防歯科とは、虫歯や歯周病を未然に防ぎ、口腔内の健康を保つための歯科医療です。

従来の「痛くなってから治す」治療型歯科医療とは異なり、“問題が起こる前に予防する”ことを目的とした新しい歯科の考え方です。

予防歯科の目的

  • 虫歯や歯周病の早期発見・早期対処
  • お口の中を常に清潔に保つ
  • 歯の寿命を延ばし、将来的な抜歯や高額治療を防ぐ
  • 全身の健康リスク(糖尿病・心疾患など)の低減

なぜ今、予防歯科が注目されているのか?

厚生労働省の調査によると、**日本人が歯を失う最大の原因は「歯周病」です。

しかし、歯周病は痛みなく進行する「サイレントキラー」**とも言われており、気づいたときには手遅れということも少なくありません。

一方、スウェーデンやフィンランドなどの歯科先進国では、予防歯科が常識となっており、80歳で20本以上の歯を保つ人の割合が日本の2倍以上と言われています。

つまり、定期的な予防こそが、生涯自分の歯で食べるためのカギなのです。

歯科医院で受けられる予防処置の内容

予防歯科では、歯科医師・歯科衛生士が連携し、以下のような処置を行います。

① プロによるクリーニング(PMTC)

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、専門器具を使って、歯ブラシでは落とせない歯石・バイオフィルム・着色汚れを除去するプロのクリーニングです。

  • 歯の表面がツルツルになり、再付着を防ぐ
  • 口臭予防・虫歯予防に効果的
  • 見た目もきれいに(ホワイトニング効果とは別)

② フッ素塗布

  • 歯の再石灰化を促進し、虫歯の進行を抑制
  • 特に子どもや虫歯リスクが高い方におすすめ

③ 歯周病のチェック・スケーリング

  • 歯ぐきの状態、出血の有無、歯周ポケットの深さを測定
  • 歯石を除去して、歯周病の悪化を防止

④ ブラッシング指導(TBI)

  • 磨き残しやすい部分を可視化(染め出し)
  • 一人ひとりの歯並び・リスクに合った歯ブラシや磨き方を指導

予防歯科のメリットとは?

1. 歯を失うリスクを大幅に減らせる

定期的なチェックとクリーニングにより、虫歯や歯周病の進行を食い止めることができます。

痛みが出てからでは遅いことも。「悪くなる前に対処」するのが最善です。

2. 医療費の節約につながる

初期の虫歯や歯周病であれば、簡単な処置で済むため、費用が安く抑えられます。

また、予防歯科に通っている人は、長期的に見て治療費が3〜4割少ないという調査結果もあります。

3. 口臭・見た目の改善

歯石・プラークを取り除くことで、口臭の原因菌も除去。

また、着色汚れが落ちることで歯の見た目も明るく清潔に見えます。

4. 全身疾患の予防にも

最近では、歯周病が糖尿病・心筋梗塞・誤嚥性肺炎などと関連していることが明らかになっています。

口腔ケアは、全身の健康を守る第一歩です。

どれくらいの頻度で通えばいいの?

予防歯科の通院頻度は、基本的に3〜4ヶ月に1回が目安です。

ただし、以下のようなケースでは頻度を上げることが推奨されます。

  • 歯周病の治療中・再発リスクが高い
  • インプラントやブリッジなどの補綴物がある
  • 妊娠中、または高齢者
  • タバコを吸う、糖尿病があるなどのリスク因子がある

歯科医院では、一人ひとりに合ったメンテナンスプランを提案していますので、気になる方はまず相談してみましょう。

自宅でできる予防ケアも重要

予防歯科は、歯科医院でのケアだけでは完結しません。

日々のセルフケア(ホームケア)との両立が最も重要です。

歯科衛生士としておすすめする自宅ケアは以下の通りです:

  • 歯ブラシ+デンタルフロスや歯間ブラシの併用
  • フッ素配合の歯磨き粉の使用
  • 就寝前は特に丁寧なブラッシングを(唾液の分泌が減るため)
  • 定期的な歯ブラシの交換(1ヶ月に1回が目安)

よくある質問(FAQ)

Q. 痛くもないのに歯医者に行く必要ありますか?

A. はい、症状が出ていない今こそ予防のタイミングです。痛みが出てからの処置は、時間も費用もかかる場合が多いです。

Q. 子どもにも予防歯科は必要ですか?

A. もちろんです。乳歯や生えたての永久歯は虫歯になりやすいため、フッ素塗布やシーラントなどの予防処置がとても有効です。

まとめ|予防歯科で守る、一生使える歯(続き)

「今は痛くないから…」と先延ばしにしてしまうと、気づかないうちに虫歯や歯周病が進行してしまうことも。

症状が出てからでは、治療回数も費用も増えてしまいます。

予防歯科は、歯だけでなくあなたの将来の健康と生活の質(QOL)を守るための大切なステップ。

歯科医院での定期的なチェックと、毎日の丁寧なセルフケアを両立させることで、

「80歳で20本の歯を残す」ことも、夢ではありません。

「治す歯科」から「守る歯科」へ。

人生100年時代、自分の歯で食べる幸せを長く保つために、今日から予防歯科を始めてみませんか?

Page Top