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健康寿命をのばすカギは「歯」にある!口腔ケアが全身の健康を守る理由

近年、注目されている「健康寿命」。これは、介護を受けたり寝たきりになったりせず、自立した生活を送れる期間のことを指します。日本人の平均寿命は男女ともに世界トップクラスですが、健康寿命との間には平均して約10年の差があるとも言われています。

「長生きしたい」ではなく、「元気に長生きしたい」と考える方が増えている今、実は“歯”が健康寿命に深く関わっていることをご存じでしょうか?

この記事では、歯科衛生士の立場から「健康寿命と歯の関係」について詳しく解説し、今日から実践できる予防のポイントをお伝えします。

健康寿命と平均寿命の違いとは?

まず、「健康寿命」と「平均寿命」の違いを明確にしておきましょう。

寿命の種類 意味
平均寿命 生まれてから死亡するまでの年数の平均
健康寿命 健康上の問題がなく、自立した生活を送れる年数

厚生労働省の調査(2022年)によると、

  • 男性の平均寿命:81.47歳
  • 男性の健康寿命:72.68歳
  • 女性の平均寿命:87.57歳
  • 女性の健康寿命:75.38歳

つまり、多くの人が人生の後半約10年間を介護や医療に頼る生活を送っているという現実があります。

健康寿命をのばすカギは「口の健康」

口の健康は、食べる・話す・笑うといった日常生活の基本機能を支える非常に重要な要素です。特に高齢になると、歯の本数や噛む力が低下し、全身の健康にも大きな影響を及ぼします。

1. 噛む力が弱くなるとどうなる?

  • 栄養不足になる

     → 噛めない食品が増えることで、柔らかく糖質中心の食生活に偏りやすくなります。

  • 筋力・体力が低下する

     → 咀嚼(そしゃく)による顎の刺激が少なくなると、食欲が減退し、身体機能も衰えやすくなります。

  • 認知症のリスクが高まる

     → 噛む刺激が脳を活性化することがわかっており、歯を失うと認知機能の低下につながる可能性があります。

歯の本数と健康寿命には相関関係がある

厚生労働省や日本歯科医師会の調査によると、残っている歯の本数が多い人ほど、健康寿命が長い傾向があることがわかっています。

75歳時点の歯の本数が20本以上ある人は…

  • よく噛める食品が多い
  • 認知症や寝たきりのリスクが低い
  • フレイル(虚弱)の進行が遅い
  • 医療費や介護費用が少ない傾向

一方で、歯を失って入れ歯を使っていない人は、死亡率が高まるという研究結果もあります。

つまり、「歯を残す=健康でいられる時間が長くなる」ということなのです。

オーラルフレイルとは?放置してはいけない口の老化

最近よく聞かれるようになったのが「オーラルフレイル」という言葉です。これは、「お口のささいな衰え」が身体全体の衰え(フレイル)につながるという考え方です。

オーラルフレイルの兆候

  • 滑舌が悪くなる
  • 食べこぼしが増える
  • 硬いものが噛めなくなる
  • 食事の量や回数が減る
  • むせやすくなる

これらを放置しておくと、次第に体力・筋力が落ち、介護が必要な状態へと進行してしまいます。

歯を守るためにできること

健康寿命をのばすには、**「歯を1本でも多く残すこと」**が大切です。そのためには、日々のセルフケアに加えて、定期的なプロフェッショナルケアが欠かせません。

1. 正しい歯磨きの習慣をつける

  • 歯ブラシだけでなく歯間ブラシやフロスも使用
  • 食後すぐのブラッシングを習慣化
  • 力を入れすぎない優しい磨き方を意識

2. 定期的な歯科検診を受ける

  • 3〜6ヶ月に1回の検診で早期発見・早期治療が可能
  • 歯石除去や歯周ポケットのチェックが重要
  • 予防歯科を積極的に活用しましょう

3. 入れ歯やインプラントもメンテナンスが必要

  • 入れ歯の汚れは口臭や歯周病の原因に
  • インプラントも歯周病(インプラント周囲炎)になるリスクあり
  • 専門的なクリーニングが重要です

歯科医院は「治す場所」から「守る場所」へ

「歯が痛くなったら行く場所」ではなく、

「歯を守るために通う場所」として、歯科医院を活用していく意識がこれからの時代は必要です。

私たち歯科衛生士は、患者さんの口の中を診るだけでなく、生活習慣や健康状態の変化にいち早く気づくことができる専門職です。どんな些細なことでも、気軽に相談してくださいね。

まとめ|健康寿命をのばすために、今すぐ始めたい「歯のケア」

  • 健康寿命とは「元気に自立して生活できる年数」
  • 歯の本数や噛む力は、健康寿命に大きく関係している
  • 歯を失うと認知症やフレイルのリスクが高まる
  • 日頃のセルフケアと、歯科医院での定期的なケアが必要
  • 歯科医院は“予防のために通う場所”として利用しましょう
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